インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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15号紹介

【株式会社ティーケーピー】
空間シェアリングの新発想で
スペースからビジネスを変革する

震災で大きくシフトチェンジ モノ貸しからコト貸しへ

―貸会議室ビジネスをはじめたのは。
河野
 2005年ですから、13年前になります。最初は空スペースや、結婚式場などで使われていないアイドルタイムを会議室に変えていきました。その後、会議室を使うお客さまのための宿泊施設として、ビジネスホテルをフランチャイズ経営したり、温泉地で会議をしたい需要に応えて、旅館をリゾート型セミナー旅館にコンバージョンしたり、会議の参加者にケータリングをする機能を追加しながら、周辺事業を膨らませて、今の企業体ができあがりました。

―飛躍のきっかけはいつですか。
河野
 2011年の東日本大震災です。各イベントが自粛になり、ホテルの宴会場などが使われなくなりました。2011年に『TKPガーデンシティ品川』(旧ホテルパシフィック東京)のホテル宴会場を獲得したことで、厨房や音響照明、レンタル備品などを内製化できました。例えば、余剰のキッチンやサービスマンを活用し、貸会議室にケータリングで料理を提供することにより、モノ貸しから、コト貸しになったので、客単価が一気に変わったのです。

―トータル空間プロデュースで『TKP』ということですが。
河野
 『空間を再生』と『会議室のお客さまに提供するサービス』の2パターンで、マッチングしています。うまくいっていないホテルや病院や塾校舎などをコンバージョンし、TKPと合体することで、マネタイズとスケールのバランスがとれます。フェアバリューになるのです。


TKPは働き方改革ならぬスペース改革を行う

―上場のきっかけは。
河野
 NYマンハッタンで、倉庫をカンファレンスセンターにしましたが、単独で動いたので資金も必要で、オープンに2年もかかりました。海外で成功するには、上場で信用力をあげるしかない。今、戦うのは難しいな、と実感しました。

―海外志向が強いですよね。
河野
 震災の後は、日本だけだと厳しいという見方です。海外の比率を増やしていきたいですね。ニューヨーク、ニュージャージー、シンガポール、香港、マレーシア、ミャンマー、台湾の6ケ国7都市に、広げてます。このビジネスモデルは、東京より大きな都市で勝負しないと難しい。今後はニューヨークでのさらなる展開、そしてロンドンなども視野に入れていきたいです。

―現在、力を入れていることは。
河野
 大塚家具と業務提携し、企業サポートをしています。発想としては、百貨店のシェアリング。例えば、新宿の三越百貨店が大塚家具に変わっているのですが、最上階の催事場を、イベントホールとして貸す仕組みを作ります。お客さまが来ると、帰りに大塚家具に立ち寄る。BtoBの世界で、イベントスペースに訪れたお客さまが、大塚家具にも足を運んでいただく算段です。

―日本の空間利用はどう変わりますか。
河野
 アマゾンの影響は大きいですよね。リアル店舗は縮小の一途です。衣料や家具などの量販店であっても、売り場は必要なくなり、ショールームがあればいいという方向に向かう。そうすると、日本中に空きスペースができます。そこを企業向けのトレーニングセンターに変える。一方で、企業は大型会議場を持つ必要がなくなる。『働き方改革』が言われてますが、『スペース改革』もやっています。

―スペース改革はどこへ向かいますか。
河野
 日本では街づくりがうまくいってません。大手町はオフィスビル、渋谷は個人向け商店街、とウィークデーとウィークエンドで人の流れは切り替わります。かたや、NYの五番街は、商業スペース、レストラン、オフィスも混在しています。都市の理想は混在型です。エリアによってバリューが違うのは効率的ではありません。アメリカは、広大な緑の中に、フェイスブックやグーグルがある。空間利用の発想が違いますよね。


激動のデジタル革命時代にアジャストするために

―今後の目標は。
河野
 事業を考えていくのが非常に好きです。今、激動のデジタル革命が起きています。BtoBは後れを取り、BtoCが進んでいるので、その荒波にアジャストして、進化しないと。会議室はもともと、各社の会社の中に作っていたのですが、これをシェアリングすることに成功しました。TKPは流動化して、今後も様々な空間再生にチャレンジしていきたいです。

―今後、経営者にとって必要になってくることは。
河野
 ひとつはコストをセーブすること、二つ目は大事なところに投資することでメリハリをつけることが必要です。例えば決済システムをあげると、大手海外企業は、ほとんど同じシステムを使っている。得意分野でないところはシェアすることで、ノウハウとコスト削減が実現できます。たとえ、アマゾンが巨大化しても、恐れることはありません。供給するメーカーはなくならないのです。越境ECでボーダレスの時代。だからこそ、持ち分野に特化し、いかにアマゾンのプラットフォームに付加価値をつけた商品を供給するかを考える。逆にいいものを作れば世界的に売ってもらうチャンスがあります。空間も時代に残されると、負の資産に変わる。でも、私たちが接着剤になって新しい世界に変えていきます。

 

【株式会社ティーケーピー】

貸会議室事業から、宿泊やケータリングなどの周辺事業を膨らませ、2013年にニューヨークへ進出。2017年に東京証券取引所マザーズ市場に上場を果たした。現在、日本及び世界7都市に1,800室以上の会議室・宴会場を運営している。


代表取締役社長 河野 貴輝

1996年慶應義塾大学商学部卒。伊藤忠商事株式会社為替証券部を経て、日本オンライン証券株式会社(現カブドットコム証券株式会社)設立に参画、イーバンク銀行株式会社(現楽天銀行株式会社)執行役員営業本部長等を歴任。2005年株式会社ティーケーピーを設立、代表取締役社長就任。


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東京都新宿区市谷八幡町8番地 TKP市ヶ谷ビル2F
https://www.tkp.jp/

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