インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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22号紹介

協和プレス工業株式会社
人を育て、技術を磨き
世界の未来をつくる

できることからコツコツ
高い技術の精密板金加工


藤波 活気ある工場ですね。いつからここにあるのですか。
野村 1963年に和歌山市西庄で、和歌山の三菱電機の協力会社として創業し、1990年に紀の川市に移転しました。創業当初、三菱電機の和歌山工場はミシンを製作していました。そのため、当社もミシンの部品を作っていました。それから、時代の流れで需要が変わり、三菱電機が業務用の冷熱空調設備を生産するようになったため、現在、当社は業務用空調機の板金部品を主に生産しております。
藤波 冷熱・空調の板金部品というと、オフィスや店舗のエアコン部品ですね。
野村 藤波さんが目にする業務用エアコンの外装はプラスチックですが、内部には鉄でつくられた部品がたくさんあります。当社は精密板金加工といって、鉄板を切って、曲げ、溶接、組立て、といった技術を持っています。
藤波 現在、業務用エアコンの業界はいかがですか。
野村 東京のホテル建設ラッシュで忙しくしています。一方で、東日本大震災以降、電気料金に対する意識が高まっています。エアコンは電気料金を最も使用する機器のひとつ。業界内で省エネ・エアコンの開発競争が高まり、買い替えの需要が増えております。業界は技術革新の中にあり、国内需要は順調です。


ハチマキを巻いて
社内全員で資格取得


藤波 技術の世界ですが、この仕事の難しいところは。
野村 当社は三菱電機の協力工場ですが、最も求められるのは、いわゆる、JIT(ジット)と呼ばれるジャスト・イン・タイム(必要なものを、必要なときに、必要なだけ用意する仕組み)です。冬や夏における繁忙期の波をうまく吸収し、バランスをとる必要があります。そのためには先を見通せ、柔軟に対応できる人づくりが大切です。
藤波 ハチマキを巻いて、資格取得に挑む従業員がいると。
野村 当社は全社をあげて技能士を育成しています。現在、60名在籍する従業員のうち、工場板金技能士の資格保有者は1級取得16名、2級取得18名に及びます(2019年4月現在)。資格に挑戦する従業員は、頭にハチマキを巻いて、作業をするのが慣例です。資格を取得した先輩たちが、彼らに技術を教えたり、励ましながら、資格取得に取り組みます。
藤波 海外からの技能実習生もいるそうですね。
野村 現在タイや中国から、16名の技能実習生が来て、働いております。実習生は、1年経つ頃に技能検定(基礎級)を受け、合格しないと、2年目から継続して働くことができません。彼らも必死で試験合格に向けて勉強し、ひとつでも多くの技術を身につけようと、真摯に仕事に取り組みます。海外からの技能実習生が励んでいる姿は、日本の従業員の刺激にもなります。当社は、従業員が資格を取得すると祝い金を出し、技能手当も支給します。技能士が多く在籍していることで、取引先にも安心してもらえます。


日本の未来づくり
世界に羽ばたく技術


藤波 「ものづくりは、ひとづくり」を実践なさっていますね。
野村 「ものづくりはいかに快適な未来をつくるか」が大切です。たくわえた技術を生かす分野です。ローコスト・多品種小ロット・短納期生産など求められる技術の実現は、人の育成から始まります。
藤波 専門性はもちろん、チームワークも大切ですね。
野村 各分野で主役を張るオペレーターは重要ですが、互いの連携ができる分業体制がその活躍を支えます。当社では、生産管理部の従業員であっても、技能士の資格に挑戦し、現場の従業員であっても生産管理の資格に挑戦します。そうすることで、相互の理解も深まるのです。全体の仕組みを理解し、お互いを知ることで、ワンランク上の仕事ができるようになります。
藤波 みなさん、誇りを持って働いていらっしゃいますね。
野村 当社がつくっているのは、製品ではなく部品です。ですが、この部品が、お客様の工場で製品になり、その製品がこの国の未来のために、役に立つのです。また、海外からの技能実習生たちは、帰国すると母国で同じ仕事につき、技術を伝えて、母国のものづくりを発展させます。当社の信条は、「人を育て、技術を磨き、日本の未来をつくる」です。日々鍛錬して働くよう、社員たちにいつも伝えています。
藤波 社会に貢献する人づくりの現場を拝見しました。

 

[ Dragon Point ]
技能士の資格試験は毎年1〜2月にかけて。実技と学科の試験がある。資格に挑戦する人はハチマキを巻いて、日々の業務を行う。無事に合格するとハチマキをとるのだそう。製造部長は、入社した若者たちが作業に慣れてきたころ、「そろそろ挑戦してみてはどうか」と声をかけ、背中を押す。アルバイトであっても、契約社員でも全員の資格取得希望を応援する社内応援体制を敷いて10年。同社は他の同業者を大きく引き離す多数の技能士が在籍することになった。

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協和プレス工業株式会社
代表取締役社長 野村 壮吾

PROFILE
1959(昭和34)年和歌山市生まれ。1981(昭和56)、九州芸術工科大学芸術工学部画像設計学科卒業、その後京都芸術短期大学ビジュアルデザインコースの助手を経て、1987(昭和62)年に実父が代表を務める協和プレス工業株式会社に入社。前職の経験を生かし、会社に新風を吹き込む。1994(平成6)年に代表取締役に就任、現在に至る。

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和歌山県紀の川市長田中345番地7
TEL.0736-73-3211 FAX.073-488-7178
http://www.kyowa-p.co.jp

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