株式会社清水精機
スマート工場への挑戦と舞台裏
自動化で精密板金の現場刷新

農地の一角から始まった
町工場を親子二代で大きく
吉岡 非常にスタイリッシュで、至る所が輝いています。スマート工場としてリニューアル移転されたそうですね。
清水 当社のはじまりは、創業者である父が農地の一角を借りてつくった小さな工場でした。その後、バブル期が終わったころ、新座市に自社工場を作りました。
吉岡 清水代表は二代目ですね。
清水 はい。2015年、父の病をきっかけに社長交代しました。長男である私は、機械メーカーに勤めた後、家業へ。父と共にバブル崩壊後の借入金返済という大変な局面を乗り越えてきました。
吉岡 移転のきっかけは何でしたか。
清水 旧工場は事業の成長を受けて増築を繰り返し、消防法上の課題も抱えていました。私の代になり、ある程度の成長をみたこともあり、幹部陣と共に思い切って新しくしようと考えたのです。
吉岡 片腕である吉武取締役はそのタイミングで合流されたのですね。
清水 私には相談できる幹部クラスの人材が必要でした。何名もの方と面接を重ねた結果、吉武取締役と出会ったのです。
吉武 私はリクシルの製造部門で40年間勤め、引退後に務め先を探していたところ、人材バンクの紹介を受けました。話を聞くと新しい工場を建てるとのこと。私には新設の工場長を務めた経験があり、その際に「もっと設計時にこうしておけば」と、思い残したこともありました。板金業界については不知でしたが、「ものづくり」だから同じ分野だろうと考えたのです。
見る目とセンスが導いた
清水精機のスマート工場
吉岡 なぜ、吉武さんを選んだのですか。
清水 いろんな方を面接する中で、他の方は設備が充実した工場の設計を褒めるだけだったことに対し、取締役は、「仕掛品が多いですね」といった具体的なコメントをしてくれました。そこで、この方と一緒に仕事をすべきだと感じたのです。
吉武 勤めてみると、センスのある社長だと感心しています。これだけの工場を設計することは、多様なセクションの方とお話しする貴重な機会でもあり感謝しています。
吉岡 二人三脚でスマート工場を設計されました。特にこだわった点は何ですか。
清水 通気性を考えた屋根の設計、女性のトイレといった女性が安心して働ける場所づくりは特に力を入れました。また、すべての生産性を向上すべく進めました。
吉岡 とても清潔に保たれています。
清水 新工場を前にルールや目標も新たに設定し、取り組めるものから着手しようと、毎日10分の掃除と週末の30分清掃はすぐにスタートさせたのです。
吉岡 新たな人材採用も進めたとか。
清水 スマート工場の設計プランは評判も上々で、30名以上のもの応募が集まりました。事務職求人に応募した女性たちも現場を見て、工場勤務を希望したのです。
技術×人でつくる新工場
板金業界の頂点を目指す
吉岡 移転当初は一時的に生産力が低下することも覚悟されていたとか。
吉武 はい、そう見積もっていましたが、実際には、心配なかったです。やむを得ない事情を持つ従業員以外は全員、移転先について来てくれました。さらに、休日返上で移転先へのスムーズな移行を準備しました。
吉岡 スマート工場で2年目を迎え、手ごたえはいかがですか。
清水 手ごたえは十分にあります。生産量は上がっていますが、仕事はまだまだ受注できる設備と人材のゆとりがあります。
吉岡 展示ルームを拝見したのですが、様々な板金の技術をお持ちですね。
吉武 例えば、ここにあるのはアルミのカバーですが、薄物で非常に難しい。このレベルでの溶接と仕上げは他社ではなかなかできません。現在では、医療機器などにも当社の丁寧で高い技術力が評価され、板金部品として採用いただいております。
吉岡 ますます成長が期待できますが、今後はどのようなプランをお持ちですか。
吉武 デジタル化で言いますと、受注先の利益率を見える化して、お客様と共に成長戦略を描きたい。現場については、まだまだ道半ばですが、このまま走れば板金業界のトップをとれるベクトルにあると信じています。今は社長が作ったステージで活躍して、恩を返していくステップです。今の人員数で月1億円の売り上げを目指します。
清水 社員はここに来てから、より真剣に仕事に取り組みます。給与も休みもしっかり出して、利益も多くして社員に還元したい。一方で、せっかくのDX化がかえって技術の弊害にならないように、対話を大切に楽しみながら日本一を目指します。
吉岡 10年後の未来が楽しみですね。

[ Column ]
工場内は自動で快適な室温をキープ。ある機械については、これまで5日間かかっていた工程を、新工場においては1.5日で処理することが可能になった。さらにDX化により、QRコードでの材料管理などで人的ミスはゼロに。大型モニターで当日の動きを管理し、ペーパーレスで全員がタスクを共有できるようになっている。
[ Point ]
本当にきれいな工場でした。板金というと、昭和な工場に怖い社長さんが座っているといった様子をイメージしていましたが、にこやかなお二人が出てきて驚きました。お二人の二人三脚があってこそ、成長されているのだという実感が会話を通じて伝わってきました。
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株式会社清水精機
代表取締役社長 清水 貴博
埼玉県日高市高富94-1 TEL.042-985-0888
https://www.shimizuseiki.co.jp
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