刀鍛冶 正也
美濃の刀鍛冶が紡ぐ伝統
時代を超え再現する技

再現と継承に挑む姿勢
弟子とともに未来へ
藤波 歴史ある取り組みですね。
吉田 3代目として、ここ美濃の地で刀を打ち続けています。戦時中は刀ではなく包丁をつくった記録も残っており、先代からの歩みを大切に受け継いでいます。私は20代から修業を始め、室町や鎌倉、戦国時代など、各時代の刀剣の姿を再現することを目指しています。玉鋼を用い、伝統的な分業制に基づいて制作します。
藤波 展示会やコンクールでも評価されていますね。
吉田 審査員が歴史的価値や技術を見極めます。波紋や鉄の模様など、知識があって初めて判断できる点も多い。評価されることは大きな励みになります。
藤波 体験の受け入れもされています。
吉田 はい。叩いたり削ったりといった体験の機会を設けています。自らの手で鍛えた刀には特別な思いが宿るもの。体験の参加者からは「自分で手掛けた刀は特別だ」との声も多く寄せられており、これまで鑑賞としてしか捉えられなかった伝統工芸に新しい視点が生まれています。
藤波 どのような需要がありますか。
吉田 特定の武将の刀を再現してほしいという依頼があります。刀鍛冶が証明書を発行することで、銃刀法の対象ではなく工芸品として扱われます。値が下がりにくいため、長期的に価値を保つ資産性があります。
藤波 今後の展望を教えてください。
吉田 技術を追求するためにも、事業としての安定が必要不可欠。現在、私には弟子が3人おり、彼らに技術を継承することも大きな課題です。弟子を育てることで自分の考え方も広がりました。今後はさらに多くの人に刀鍛冶の世界を知ってもらえるよう取り組みたいと思います。
藤波 伝統の再現に挑みながら、新しい世代や体験者へと広げる姿勢が心に残りました。

[ Point ]
刀鍛冶の工房を訪れ、伝統が現代に息づいていることを実感しました。鍛造の工程を間近で見ると、緊張感と張り詰めた空気に圧倒されます。体験で初めて分かる世界観もあり、弟子たちが真剣に学ぶ姿も印象的でした。地域に根差した文化的価値が広がることを期待しています。
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刀鍛冶 正也
吉田 政也
岐阜県加茂郡富加町加治田912-1
TEL.090-1587-1963
https://katanakajimasaya.com/
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