「スタッフは家族」 愛情をもって本気で
向き合うことで人は成長し、企業は成長する。
株式会社エムアンドエムフーズ
代表取締役 大橋正伸
やればできるの精神で企業を大きく成長させた
トップ成績だった証券会社の営業マンを辞め、祖父の代から続く『しのぶ庵』を受け継いだのが二〇〇一年。企業を育てるために、無我夢中で働き、出店を重ねて規模を拡大させてきた。証券社員だった時代から、先輩やお客さまに献身的に働くことをモットーに、飲食業に転身してからもその姿勢を貫いた。事業の転機になったのは、二〇〇一年の「しのぶ庵ユニバーサルシティウォーク店」の出店。人気アミューズメント施設への進出は経営者として大きな賭けだった。会社も自宅も担保に、一億円以上の借金を抱えてのスタート。“絶対に失敗ができない”プレッシャーの中で、半年以上店舗に寝泊りして、自ら店を切り盛りする生活が続いた。ただ、目の前にいるお客さまに喜んでもらうことを考え続けた時、店は軌道に乗っていった。その後、店舗出店を繰り返し、成功体験から導き出した人間の可能性について執筆した本も出版。全国各地で講演活動を重ね、コンサルタントとして後進を育成し、活躍の幅を広げた。
本当に大切なものが何か分かった
四十一歳になった時、過労がたたって倒れた。病院のベッドで天井を眺めながら、「こんなにがんばって、最後はベッドの上か…」とつくづく空しくなった。「ホントはどんな人生を歩みたかったのか…」と考えた時、家族や友達やスタッフの笑顔が思い浮かんできた。がんばりの中でいつしか、マイク一本で世の中を変えられるような幻想を抱いていた。でも、本当は身近な人を幸せにするような生き方をしたかったのだ、と気づいたのだった。今日も、大橋は店長を集めて朝礼を行う。行けない店舗にも必ずメールを配信する。「お客さまに“ありがとう”“おいしかったよ”“また来るね”の三つの言葉をいただける仕事を全力でしよう」と口をすっぱくする。スタッフは家族、お客さまは大切な人だと思って接している。「もう、キレイごとはぜんぶやめました」と大橋は笑う。苦しい経験を幾度も乗り越えながら、今、自然体で挑戦していける経営者の風格が備わっている大橋氏。今後の更なる躍進が楽しみだ。
株式会社エムアンドエムフーズ
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