【WILLER株式会社】
マーケティング×交通 全く新しい市場を創造する
楽しいと思うことを追求するための手段
―現在創業23年目とのことですが、創業のきっかけは。
村瀨 最初は大学のサークルの中で、友達同士で集まり、スキーツアーをしたり飲み会をしたりと、いろんな企画を立てながら新しい出会いや体験を作っていたことから始まりました。
―そのころ、ツアーバスがブームでしたよね。
村瀨 「若い人のレジャーを創造する」をビジョンとして、自分たちでツアーを企画。バスをチャーターし、宿泊まで押さえていました。それをパンフレットにして配りました。儲けるというよりは、自分たちが面白いことをひたすらやっていた感じ。スポーツでもグルメでも目的をひとつ作れば、知らない人同士を友達にする魔法になる。たくさんの出会いを作ることが人生を豊かにすると気が付きました。
―最初は、どちらかというとイベント会社だったのですね。
村瀨 はい。しかし、10年経ったころにはすでにネットがあって、会社の存在価値がなくなってしまいました。私たちがやりたかったのは旅行会社ではなく、〝人と人との出会いの仕組みづくり〟。そこで、ネットで知った情報を体験する仕組み―〝世界中どこでも行きたい場所に行き、実際に見て体験すること―を可能にする〟交通を作ろうと思いました。
世界中の〝人の移動〟にバリューイノベーションを起こす！
―そこでバスに着目を。
村瀨 できるだけ快適で、安価に移動できる交通となると、バスという答えでした。私たちは、旅行業者や交通事業者になりたかったわけではなく、世の中に新しい価値、新しい産業を作る会社でありたいと願いました。
―ピンク色のバスを使うなど独特なスタイルへの転換期はどこでしたか。
村瀨 ネット上でどこに路線があり、車両のタイプや金額など、全てを調べられるようになったのが、潜在層が顕在化していくきっかけでした。どんなバスなら乗りたいのかを徹底的にマーケティングしました。夜行バスで隣に男性が座るのを嫌がる女性のために、隣の席に女性が乗ることを確約したり、バスの古いイメージを払拭するために、ピンク色を取り入れるなど、ビジュアル性、快適性、不安の軽減などを追求しました。
―女性利用者が多いイメージです。
村瀨 もともと長距離バスの市場は年齢の高い男性が主力でした。これに対し、僕らが狙ったのは年齢の低い女性層。都会でのレジャーやショッピング、就活などに行く女性たちの潜在化していた市場です。市場をつくることが成功につながると思っていました。
人生が豊かになる 移動方法の提案と提供
―今後は海外への展開も？
村瀨 今あるものを進化させるのは当然ですが、今後はベトナムで、フォトジェニックな旅をお楽しみいただくための『WILLER VEHICLE』という移動のサービスを始めます。さらにフランス、ドイツなど欧州で、グローバルトラベラーのための移動手段を作っていく予定です。
―可能性が広がりそうですね。
村瀨 バス会社というよりも、世界中のトラベラーのニーズや欲求を実現していく「移動ソリューション」を提供していく会社でありたい。日本で現場と品質、安全のノウハウを積んできたことを生かして、世界の交通を創っていくつもりです。
―将来の展望をお聞かせください。
村瀨 大きい会社よりも、世の中に存在価値のある会社にしたいです。学生の頃、旅行を企画していた遊び心が、50歳を超えた今でも僕の原点。お客さまと共に商品をつくり、世界中のトラベラーの人生を豊かにするソリューションを探求し続けます。
［ 沿 革 ］
1994年5月 旅行会社西日本ツアーズを創業
2005年6月 WILLER株式会社（WILLER ALLIANCE株式会社）を設立
2006年4月 高速ツアーバス「WILLER EXPRESS」事業を開始
2013年8月 「WILLER EXPRESS」が高速路線バスとして新たにスタート
2015年4月 京都丹後鉄道を開業（第二種鉄道事業者として鉄道事業に参入）
2016年4月 丹鉄ファンド設立
2016年9月 ベトナム（VIETNAM）に初の海外現地法人を設立
グローバルにサービスを展開し
世界中のトラベラーに「移動ソリューション」を提供
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WILLER株式会社
代表取締役 村瀨 茂高
大阪府大阪市北区大淀中 1-1-88-600
梅田スカイビルタワーイースト6階
http://travel.willer.co.jp/
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