インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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46号紹介

株式会社ライフデザインラボ/株式会社LDファーム
山形の耕作放棄地で赤いお蕎麦
生きがいのある多様性社会を

アクティブになれるホーム
住環境の整備に力を入れる


藤波 山形県山形市、山形駅近くの中心エリアで障がい者の生活をサポートするグループホーム『わんらいふ』を運営されているのですね。
阿部 施設名『わんらいふ』は1つは英語で「ONE」=「そこにいる、そこにある」という意味があり、「そこにいる生活、そこにある生活』と解し、2つ目に「わん」は動物が出入りする(=犬)鳴き声の「ワン」として、グループホームの特徴を表現しています。
藤波 山形ではまだ数少ない取り組みだそうですね。もともと福祉のお仕事を。
阿部 前職は社会福祉法人の特別養護老人ホームでスタッフをしていました。立ち上げにあたり、役員の父が一般企業で勤める私に事務員として声をかけました。そのような中、地元の企業が「障がい者の雇用を生もう」という取り組みを始め、障がい者の住居など、生活面をサポートする事業者を探していました。山形県は他県に比べて障がい者の施設、グループホームは大変少なかった。特別養護老人ホームには障がい者もおり、事務方にいる私に、「雇用は地元企業の私たちが行うので、生活面でサポートする住居をお願いできないか?」と声がかかりました。
藤波 コロナ禍に設立されたと。
阿部 前職を辞めホームの設立を決意した数日で、全国に緊急事態宣言が発令されました。物不足で施設開所が半年遅れ、非常に大変な思いをしました。
藤波 『わんらいふ』は、駅チカで利便性の良い環境、また新築やフルリノベーションにこだわったと。
阿部 山形では障がい者の生活環境がまだまだ足りておらず、交通や生活の利便性が乏しい地域にあるイメージがあります。私は「街中の便利な場所、かつ新築やフルリノベーションで用意された住居で、Wi-Fi環境も整った場所を生活訓練の場として用意するべき」と考えています。ホームのコンセプトは「引きこもらず、社会に出ること」。街中のにぎわいで新たな交流も生まれ、ここで暮らすことで気持ちが上向き、前向きになるのだと思います。

訓練の場としてリズムを保つ
常に活動できる農業法人


藤波 農業法人『LDファーム』も作られたと。
阿部 入居者が契約満了や何かの事情で就労の機会を奪われると、生活のリズムが狂い、最悪ご自身の症状が悪化します。ですから、仕事がなくなっても「次の仕事が見つかるまでの期間」をフォローする就労機会を作りたかったのです。当施設の目標はグループホームの卒業や自立であり、料理することや金銭管理など、苦手を克服していくことにあります。生活のリズムを作ることや、今日すべきことなど、農作業は目的やすべき役割を考える就業準備期間としても一つの就労機会となります。また、20年以上も農業がされていない土地、約64,500u(19,500坪)を確保して農業を始めました。山形は蕎麦が有名なので、産品として特徴のある赤色の花を咲かせる蕎麦『高嶺ルビー』を育てることにしました。
藤波 なぜ耕作放棄地の問題に取り組みを。
阿部 私の実家も農地があり、兼業農家をしています。都市部から離れた地方は高齢化や農業資材の高騰、後継者問題など農業の担い手が少なくなりました。私は、農業ができる環境を地域からいただいているので、その地域課題にも取り組んでいきたい。そこで株式会社として法人化し、就労環境を整備しました。雇用を作り、仲間たちとこの会社で農業をどう進めて、成長させていくかを話していきたい。蕎麦だけでなく、畑から作られた野菜を食品加工へ。農業から福祉・医療の食事現場へと繋がる地域循環サイクルを目指しています。

生きがいとは何かを考え
衣食住が一体となる豊かな町


藤波 食を大切になさっているのですね。
阿部 高齢者施設に勤めていた時、入居されている皆様は、食事が何よりの楽しみでした。食事形態を変え、常食と変わらない見た目となる食事開発をすれば、喫食率があがり、食事から栄養が取れるようになる。ひいては健康状態が良くなる。目で見て、舌で楽しむことへの具現化です。福祉の現場においては住環境以上に、食環境が大切です。
藤波 『LDファーム』について、短期的な目標をどのように持たれていますか。
阿部 耕作放棄地を少しでも解消し、農地に役割を与えたい。それを仲間と一緒に次世代に継承していくことを目標としています。農業は他の産業より「人が集まらない」といったレッテルを貼られていますが、福祉だけでなく、食品加工、首都圏の商社などと繋がることで、携わる人々の認識が変わります。少しずつ、少人数からでもいいので多種多様な人から関わってもらいたい。まずは、珍しい赤い花を咲かせる蕎麦を作りますので「おおー!!」と一言だけ欲しい。それが言えると次は「食べてみたい!」となるのでは?意外と単純だったりするのではないでしょうか。
藤波 いいですね。その先はどのように。
阿部 一時的でものいいので人が集まる仕組みを作りたい。地方だから…田舎だから…ではなく、めったに食べられない物、実はとても美味しい物は地方や田舎にあったりする。皆さんに関わってもらい、発信することができる人にも手伝ってもらいたい。まずは知ってもらいたい。
藤波 『わんらいふ』の方はいかがですか。
阿部 地域の中心部にある障がい者施設は数少なく足りていません。『LDファーム』とあわせ、住まいと就労の両輪の中で柔軟さでやっていきたいですね。そして、「生きがいとは何ぞや」というところに迫りたいです。
藤波 これからますますいいカタチで発展していきそう。楽しみです。

 

[ Column ]

『わんらいふ』の利用者が働く業種は、スーパーや運送業などバラバラ。いずれも地域の経営者が「障がい者に雇用を」と定職を用意したところから始まった。ホームでは24時間管理の職員が常駐。周辺に医療機関もあり充実した環境。設立から3年目、利用者は近隣とも挨拶を交わすようになり、人間関係も築きはじめた。

[ Point ]

「できるまで見守る」と、利用者自身が立てた目標に寄り添う『わんらいふ』。利用者の仕事を絶やさないために、工夫の中で設立された『LDファーム』。いずれも、すばらしい取り組みですね。山形の農業、山形の福祉、山形という地域をより良いものにしてください。

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株式会社ライフデザインラボ/株式会社LDファーム
代表取締役 阿部 憲和
株式会社ライフデザインラボ
 山形県山形市旅篭町1-15-15
 TEL.023-676-8752
 E-mail.info@lifedesign-labo.jp
株式会社LDファーム(https://ld-farm.jp
 山形県西村山郡朝日町大字松程243

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