インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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48号紹介

綱ホールディングス株式会社
独自組織論で人材確保を強化
コロナ禍にホールディングス化へ

成長戦略と独自組織風土構築
価値感共有の『リレーワーク』


 建設業界にとっても厳しいコロナ禍でホールディングス化した狙いはなんだったのでしょうか。
渡部 株式会社櫻木管工は1965年に創業した給排水衛生空調設備工事の老舗、株式会社山大電気も1983年創業の電気設備工事の老舗です。もともと中央建設は工事費のうち全体の2〜3割を占めるこういった設備系専門工種を外注していました。そのため数字が読みにくく、価格競争力で勝てないこともありました。それが両社を内部に迎えることで、ブラックボックス化していた専門工種が可視化され、より適正な価格を提案できる組織になりました。
 私も兄や父が土建業で配管工事もやっていますが、人材不足が深刻だという話を聞きます。渡部代表は独自の組織論として『リレーワーク』を掲げているそうですね。
渡部 『リレーワーク』とは、社員同士はもちろん、社外の方に対しても自分の意見だけではなく相手を尊重しながら垣根を越えて価値観を共有し、同じ目標に向かってチームやパートナーとのコミュニケーションの円滑化を図りながら関係を強化していきたいと考えて、私が作った造語です。
 例えば、今お話を伺っているこの事務所の空間をサロンのような雰囲気にして社員に開放するなど、取り組みがユニークですね。
渡部 もともと生まれも育ちも違う他人同士の集まりですから最初からなかなか打ち解けられない、それならできるだけ楽しくリラックスできる時間を共有することから始めようと考え、皆が気軽に私に会いに来られる場所、というコンセプトで作りました。飾っているのは沖縄の珊瑚や貝殻。私は年に数回、社員を連れて沖縄へ行き、Tシャツに短パン、ビーサンで皆と思いっきり遊びます。また、就業時間外にはここで皆と食事会を開くなどして楽しい思い出を積み上げながら長く働いてもらいたいのです。
 リレーワークが根付き風通しの良い社内風土が整う、それが御社の強みですね。
渡部 皆がこの会社のことを理解し、当事者意識をもって建設的で前向きな意見を気兼ねなく言い合える職場であってほしいのです。

建設ヴィーナスの役割と
パーソナルジム研修の活用


 女性社員の割合が高いことに驚きましたが、理由があるのでしょうか。
渡部 たたとえば管理本部という部署は女性だけで構成し、社内業務のみならず現場の施工管理も積極的にサポートしています。これは女性のキャリア支援はもちろん、一概には言えませんが、性別が偏ると物事が一方向に傾倒してしまう危険があり、多様な価値観によって異なる視点、経験やアイデアを絡めることでバランスをとり、かつモチベーションアップ効果を期待したものです。また、女性のきめ細かい視点は危機管理の徹底にも繋がるのです。その管理本部には現在『建設ヴィーナス』という愛称を付けてロゴマークを作り、グループのブランドイメージ向上に向けて展開中です。
 社員と研修を兼ねてパーソナルジムに行くことがあるそうですね。
渡部 ジムのトレーナーさんが会社での上司、利用者である私たちが部下と仮定すると組織運営のヒントが見えてきます。通いはじめた頃の私はモチベーションが低く、トレーナーさんはそんな私に口先できつい指示を出すだけだ、などと思っていたこともありましたが、本当にきつくなったタイミングでマッサージを施してくれたり、今度は優しい言葉使いで癒してくれたりと、次第に私も素直な気持ちになりトレーニングが楽しくなってきたのです。トレーナーさんによってタイプが違いますがとにかく皆さん、すごく褒め上手です。実際に、始めはジムに通うのが億劫だった私が、たとえばダンベルなら今では指示された回数より多くの回数を上げるようになり、それが充実感・達成感・満足感となって自らもっと新しいことにチャレンジしてみよう、という気持ちになる、それは普段の仕事にも通じることだと思い、褒める言葉の大切さを実感しました。そしてこれこそが、人と人との適切な関わり方によってお互いの人間力が成長していくシナジー効果なのだと考えています。
 リーダーシップや人材育成について、常に意識しているのですね。
渡部 楽しくトレーニングをすることはもちろんですが、このような優秀なトレーナーさん(上司)のコミュニケーションスキルを皆に学び取って欲しくて研修に取り入れました。
 今後の展望はどのようにお考えですか。
渡部 2022年に不動産開発の株式会社エネフを傘下に入れましたが、これからはゼネコンだけでなく、自らデベロッパーとしての動きを持つことで、土地の特性も踏まえた資産価値をお客さまに提供していきたいと思っております。
 総合力を高めているわけですが、一方小回りが利くことも御社の魅力ですね。
渡部 お話ししてきたとおり綱ホールディングスグループ独自の組織風土や文化を育み、良い意味で関所がないオーナー企業の利点を活かした他社にはないスピードとフレキシブルなサービスの提供が当社の魅力であると自負しております。
 来年は建設業の2024年問題も始まります。
渡部 そもそもそれは「問題」ではなく建設業界の働き方も本来あるべき姿にやっと追いついてきたということだと思います。当社はすでに5年前から「働き方改革実行委員会」を設置し職場改革を推進しており、常に先を見据えて対応し進化してきました。
 ゼネコンに対する業界の厳しい現状はどう乗り越えていきますか。
渡部 人材不足と人件費高騰を受け、お客さまにも、適正価格をしっかり考えていただくようお願いしています。今後も時代の流れをしっかりと敏感に読み取りながら、日本の企業として国力の回復に寄与できるようなグループを目指していきます。
 御社の発展と活躍を期待しています。

 

[ Column ]

お客さまのご自宅にお伺いし、お約束の1分たがわず、13時ぴったりにピンポンを鳴らす。それが渡部代表のスタイル。「いつも通りぴたりと時間に来る人」という基本的な行動が信頼に繋がる、との考えだ。「普段からのベースが大事。それがハートを繋げることになる」と渡部代表は語る。

[ Point ]

かつて所属していた元社員がSNSなどにアップする内容をもとにコミカルな動画を作り、渡部代表もそのYouTubeに出演したことがあるとのこと。退職した人たちのことも温かく配慮しながらお互いに成長し合えたらいいな、と考えたそうです。器の大きさを感じるエピソードですね。

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綱ホールディングス株式会社
代表取締役 グループCEO 渡部 功治
綱ホールディングス株式会社
東京都港区芝2-1-30菱化ビル1階
TEL.03-3451-8227
https://tsuna953-hd.co.jp

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