インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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50号紹介

株式会社BIOTECHWORKS-H2/有限会社やまぎん
すべてのゴミから水素をつくる。
廃棄物のエネルギー化を企画

コロナ危機からの挑戦と
サステナビリティへの道


吉岡 今回、廃棄物から水素を生み出す脱炭素プロジェクト『BIOTECHWORKS-H2R』を推進する事業を創業したわけですが、どういった経緯だったのでしょうか。
西川 きっかけはコロナでした。母体となる『やまぎん』は海外取引を中心とする下請けのアパレル企業として、22年間仕事をしてきましたが、コロナ禍ですべての仕事がなくなりました。キャンセルが続き、ひどい日には1日に3億円の損失を出す痛手。ですが、当社は「休む」という選択をしませんでした。2020年7月、自分たちができる仕事を探すため訪米したのです。
吉岡 思い切った決断と行動力ですね。そこで問題になっていたのが、『医療用ガウン』の破棄問題だったのですね。
西川 『医療用ガウン』は米国で1日に何百万トンというゴミを生んでいました。2021年、我々はサステナブルなガウン素材『ZERO-TEXR』の開発にこぎつけました。その後、「破棄問題を完全に解決したい」と考えるようになったのです。
吉岡 なぜ、そう考えたのですか。
西川 実は繊維業界はまるでサステナブルな業界ではありません。製造過程では石油産業に次いでCO2の排出量が多いのです。繊維業界でのエコは原料ばかりに注目されがちで破棄に目が届かない。リサイクル品は、使い物にならない衣類が混ざったブロック状ゴミとしてアフリカに送られ、その多くは廃棄物の山をなしています。
吉岡 問題意識があったのですね。

廃棄物から水素への挑戦
企業のSDGsへの寄与


吉岡 『BIOTECHWORKS-H2R』とは、どのような挑戦なのですか。
西川 「廃棄物を水素エネルギーに変える」試みです。当社は、2022年カリフォルニアのプラント会社と概念実証をするための契約をしました。そこで、様々な廃棄衣料品を水素化させる技術開発に成功したのです。プラントのイメージとしては燻製。密閉空間の中に『コールタール』という炭に似たものを作り、それを熱源として、プラント内部で燻製に類似する状態を生み、ガス化させます。ガス化で回収したCO2は炭酸飲料の炭酸ガスの原料として、水素はエネルギー源として発電し再生可能エネルギーとして使用します。
吉岡 SDGsにおける取り組みのPRになると多くの企業が協力をしていますね。
西川 多種の素材が混ざる衣類は最もリサイクルが難しいと言われる廃棄物でした。しかし、私たちはテストを重ねる中、雑多な家庭ごみにおいても変換する技術に成功しました。つまり、ショッピングモールの横にプラントを建設すれば、電気としてまかなえますし、駅に回収ボックスを設置するアイデアも進行しています。現在、ファッションモール『OPA』をはじめとする大手企業が協力に名乗りをあげています。
吉岡 非常に画期的だと分かりました。

シリコンバレー発
ゴミからエネルギーへの挑戦


吉岡 将来の期待値に投資や協力会社が集まっていると伺いました。開発はシリコンバレーだそうですね。
西川 かっこよく言うとアップルとGoogleの間に米国本社があります(笑)。日本は今、国をあげて水素分野で世界一になろうとしています。我々はその分野で革新的な存在になれるということです。
吉岡 アパレル企業からの発信という点も特徴的ですね。
西川 私たちは厳しいコロナ禍で下を向きませんでした。自分たちの業態を変える中で世の中も変えていったのです。私は洋服が大好きですから「ファッションが悪い」と言われるのがたまらない。おしゃれにもっと肯定感を持ちたいのです。
吉岡 エネルギーに変わると思うと、服を捨てることに罪悪感がなくなります。
西川 ゴミがお金になると分かれば誰も捨てません。ゴミはゴミではなく、資源となる宝です。現在、企業をはじめ、著名人からも「世界を変えていこう!」とご声援をいただきます。当社の中期目標として、2026年から47都道府県にプラントを建設すること。水資源を多く必要としないので、日照率が低く、太陽光パネルが設置しにくい東北地方や北陸地方に建てることを強化したい。また、これらの実現のため、当社は2027年までに上場を目指します。まずはここ5年間でどこまでできるかが重要。僕らを応援してくれる企業様と共に「2050年にはすべてのゴミをエネルギーに」したいですね。ゴミが価値になる時代が来る!ファッションを楽しめる世の中が訪れるのです!
吉岡 将来に期待が持てるお話を伺いました。私もプロジェクトに賛同します!

 

[ Column ]

西川代表の家業は飲食店。大阪で料理屋を営む料理人だった祖父から後を託された西川代表は、2000年、飲食業ではなく将来性を感じた繊維メーカーとして「有限会社やまぎん」を創業した。起業時は、まだ大学生。少ない資金で起業できる有限会社として興したのが出発点だった。

[ Point ]

コロナ禍での挑戦が、一躍西川さんを時の人に押し上げました。こういった国際的な取り組みを行うパワフルな企業家が日本にいるのだと知り、誇りに思います。この事業は私たち自身の問題でもあり、私個人としても取り組みたい課題です。

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株式会社BIOTECHWORKS-H2/有限会社やまぎん
代表取締役 西川 明秀
東京都渋谷区神宮前6-18-3-6F
TEL.03-5422-9701
https://biotechworks.us/jp
https://yamagin-inc.jp

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