インタビューマガジン『B.S.TIMES』。国内外のビジネスリーダーや文化人を専属の芸能レポーターが訪問して取材。隔月出版にて、フリーペーパーとWEB、Kindleにてリリースしています。

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51号紹介

ホンダロジコム株式会社/春日井ファーム
物流会社がきくらげ事業創設
社会的責任から生まれた挑戦

障がい者にやりがいのある
仕事を生むプロジェクト


亀井 『春日井ファーム』は物流会社である『ホンダロジコム』を母体とする農業ベンチャー企業ですね。
本多 はい。『ホンダロジコム』は創業60周年を迎える物流企業で、トヨタ自動車の協力会社として国内物流を担う他、トヨタ方式で異業種物流にも参画してきました。
亀井 そんな中で、なぜ、きくらげ栽培(『春日井ファーム』)なのですか。
本多 企業は障がい者を雇用するという法定雇用の義務があります。我々はこれまで物流に関連する業務として、障がい者の方に物流センターでの軽作業をお願いしていたのですが、安全でもっとやりがいのある仕事を作りたい≠ニ考えました。2016年に若手で新規事業のプロジェクトを創設。きのこ栽培に着目しました。市場リサーチの結果、しいたけは飽和状態だが、きくらげなら、国内自給率はまだ2パーセントであると分かり、可能性を感じたのです。
亀井 新規事業は苦労しましたか。
本多 ええ、栽培については、菌床を仕入れて、知見のある事業者から学びながら、ハウス栽培を始めました。難しいのは温度と湿度、酸素濃度の3つを適切に保つこと。人の経験と技術が合わさりできることです。きくらげは夏場から秋終わりが旬ですが、当社は年間を通じて栽培し、加工しています。我々は物流会社でモノを売ったことがなかったので、銀行にも相談しながら、イベントなどにも積極的に参加し試行錯誤。7年かけて少しずつ認知されてきました。

健康食品からスイーツまで
中部地域の食文化を変える


亀井 SNSで様々なきくらげ料理を提案していますね。
本多 新鮮な生きくらげは、わさび醤油をつけて刺身のようにあじわうのが私たちのおススメ。食感が抜群です! きくらげは栄養面でもすぐれた食材で、食物繊維がたっぷり。ビタミンDとカルシウムの両方を一緒に摂取すると良いと言われていますが、まさにきくらげはその両方が入っています。薬膳料理には欠かせない素材で「薬膳の王様」とも言われることも。クセがなく、なんにでも合いますので、SNSで色々な食べ方を提案しています。
亀井 きくらげ農家が増えていますね。
本多 はい。生きくらげの国内生産量は当社が栽培を始めた2017年にはわずか2パーセントでした。皆さま、おいしさを知ったのか競合他社が増えたので、当社も他社との差別化として、きくらげを使った佃煮やこんにゃくの他、ドーナツといったスイーツまで、様々な加工品を作っています。また、粉末にして健康食品にすることも考えています。もともときくらげはいしづきの部分など破棄が全体の23パーセントもあり、もったいない≠ニいう動機もあります。
亀井 では、加工品事業への進出は、食材ロスにも貢献しますね。

社員のやりがいから
宇宙空間への展開まで


亀井 企画や販売ルートの開拓、発信と社員さんたちもやりがいを感じているのではないですか。
本多 この事業は私というよりはプロジェクトメンバーが中心となってやっています。加工に関してもメンバーが自主的にメーカーを探し、交渉しています。そういった意味ではメンバーのやりがいに繋がっていると思います。オフィスにはキッチンがあるのですが、先日もみんなできくらげのカレーを作って試食しました。おいしかったですよ。
亀井 カレーにきくらげ! これまではあまり気に留めていない食材でしたが、栄養価の話も伺いもっと食べていきたいです。
本多 当社では、現在、農業プラントの実験も行っています。これまで市場には水耕栽培の葉物野菜しかありませんでしたが、当社は閉鎖空間にソーラーパネルを入れ、水だけできくらげを栽培する実験をしています。先日、収穫したばかりですが、おいしかったですよ。こういった挑戦は、宇宙空間での栽培にも繋がっていきます。
亀井 今後はどういったきくらげの展開を考えているのですか。
本多 愛知県だけではなく、様々な地域で、働く場所がない障がい者の方が働ける場所を増やしていきたいです。そのためにもやはり、きちんと事業化して、『春日井ファーム』が単体で黒字が出るようにしなければなりません。きくらげの流通量を増やすことは当然目標ですが、どんな人でも働ける場所を作っていくことが本当の目的です。そのためにもまずは、きくらげのことやそのおいしさを伝えるところから始めていきたいです。
亀井 今日は十分に教えてもらいました!

 

[ Column ]

『春日井ファーム』のきくらげは、愛知や岐阜地域の各スーパーで購入できる。創業以来、7年間で中部地域への認知が広がり、徐々に生きくらげを味わう食文化も定着。一方、全国ではまだまだ珍しい生きくらげ。中にはファンになって遠方からファームまで直接、購入に来る方もいる。

[ Point ]

私はこれまで乾燥きくらげを使っていたのですが、はじめて出会う生きくらげの肉厚とおいしさにびっくりしました。プルプルと弾き返す弾力。これから生きくらげにハマりそうです。ぜひ、生産量の拡大をお願いします。

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ホンダロジコム株式会社/春日井ファーム
代表取締役社長 本多 敦
愛知県春日井市八田町5-16-6
TEL.0568-56-5727
https://honda-logi.com
https://honda-logi.com/challenge/farm.html

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