株式会社サン・システム
西天満に斬新な発想のビルを創造
他とは違う建築物に挑戦したい
個性あふれる建築物
自らもデザインに挑む
吉岡 関西圏内を中心に、高級マンションや店舗・オフィス・住宅・宿泊施設などを多数、所有・管理する不動産会社ですが、非常に個性ある物件を手がけていますね。
宇佐美 私は、もともと人と同じことをやるのが嫌いでして、他社と差別化したような物件に挑戦しています。主な取り扱いは大阪・京都にある高額な賃貸物件で、ワンルームというよりファミリータイプ。住宅は100平米超えの広大なものが多く、店舗や事務所も高価格帯の物件を扱います。
吉岡 例えば、どういった個性的な物件があるのですか。
宇佐美 現在、建築中のホテルは、日本を代表するインテリアデザイナーの一人である森田恭通氏に依頼しています。直近の仕事は、大阪(心斎橋)エリアの宿泊施設。2階から7階までをリノベーションし、民泊系のホテルに変更しました。玄関の天井はすべて私がデザインしまして、エルメスのスカーフを全面に埋めて、額縁を作り、ライトを当て、インスタ映えするような空間を創造。すぐに全室が埋まりましたね。
吉岡 世界的なデザイナーとのタッグだけでなく、宇佐美さんご自身がデザインまでなさっているのですね。
宇佐美 ええ、私は馬のシルエットが美しくて好きなのです。新しいことを怖がる方は多いですが、やらないと分かりませんから、とりあえずやるのが私のスタイルです。吉岡 ここ西天満にあるミシュラン店舗を集めたビルのデザインも素敵ですね。
海外の風景から生まれる
古くとも独創的なもの
吉岡 不動産会社を始めるきっかけは何だったのでしょうか。
宇佐美 もともと私は海外へ学生が行くときにサポートする「留学センター」と「英会話スクール」を運営していました。スタッフが全員外国人で、当時はその住まいを探すのが大変だったため、関西で初となるゲストハウスを手がけたのが私なのです。ちょうど20年ほど前ですね。最初は建物を借りていましたが、そのうち一棟を借り上げるようなカタチでシェアハウスのようなものを作っていました。それが拡大して、何百室に増え、業務化されたのです。当時、英会話スクールの『NOVA』は勢いがあり、そこからもオーダーが増えていました。
吉岡 では、外国人専門マンションの斡旋から不動産が始まったのですね。
宇佐美 はい。私は古い建物を再生させることに大きなやりがいを感じ、ルームリノベーションに傾向しました。私も海外で暮らした経験がありますが、アメリカでは築100年ぐらいの建物がたくさんある。しかし、中身は綺麗で、おしゃれなロフトになっていたりする。日本はどこ見ても同じようなデザインです。私は、街の景観に関心を持ったというよりも、自分の思った個性あるデザインを実現したくなったのです。
西天満の景色を面白く
新しい才能を開拓したい
吉岡 このミシュラン店舗を集めたビルではどのような挑戦がありましたか。
宇佐美 こちらは、できあがったものに入っていただくのではなく、建設から一緒に考えるスタイルを採用しています。
吉岡 それは斬新な方法ですね。
宇佐美 そもそも、私は食べ歩きが趣味。好きな星付きのお店が移転を考えていたので、新築ビルの構想をお話ししたところ、移転を決めていただいたのがきっかけです。さらに次から次へと、星付き店のご縁が重なりました。本来はホテルを建てる予定でしたが、すべてやり直し。昼と夜の顔を持つ建築物を作りたかったので、ライティングで1階を浮かび上がらせ、夜は2階から上の部分の存在を消しこむようにしました。
吉岡 まさに斬新な発想の建物ですね。
宇佐美 私はとにかく、人がやってないことをやりたい性分。右を見ても、左を見ても同じようなものばかりだと楽しくない。挑戦にギャンブル性はもちろんありますが、できると信じていますし、挑戦が楽しいです。
吉岡 今後はどのような構想を持っているのですか。
宇佐美 とにかくカタチにとらわれたくないので、学生のデザインコンペなどにも取り組み、従来にはない建物に挑戦したい。現役のデザイナーですとどうしても枠にはまってくるところがありますから。当然、施工の基準は守りながら、新しい才能の感覚でもってデザインし、しかも住みやすいような建物を作ってみたいです。エリアについてはもっと広げて、東京、そして好きな沖縄にも行きたいです。大阪はやはり万博が近いですからランドマーク的なものに取り組みたい。他にも社会貢献をしていきたいです。
吉岡 今後の作品が楽しみです。
[ Column ]
宇佐美代表は、格闘技が好きで、ご子息は兄弟でプロの格闘家。兄の「宇佐美正パトリック」は、ボクシングを経て、LDH主宰の『FIGHTER BATTLE AUDITION』に合格。同じく幼少期から格闘技をしていた弟の「宇佐美秀メイソン」も兄の背中を追うように総合格闘技の世界に入り、現在も兄弟で活躍をみせている。
[ Point ]
オフィスに入った瞬間に上質な香りが…。全体のオシャレさはもちろんのこと、ドアノブのカタチなど細部の意匠もこだわりを極めていました。聞けば宇佐美代表のご自宅は「ホワイトハウス」と呼ばれているそう。いったいどんな邸宅なのだろうと興味津々。ワクワクする取材でした。
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株式会社サン・システム
代表取締役 宇佐美 秀嗣
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サンシステム天六駅前ビル301号室
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